さすらいの ニシキフウライウオ

さすらいのニシキフウライウオ
ニシキフウライ2
全身がトゲトゲで覆われたカミソリウオの仲間。
これが、ニシキフライウオです。
真っ黒なようで、尾ビレとかには美しい赤い斑点があったりします。
仲良くペアでいたりもしますが、このトゲトゲは、ハリセンボンのように、敵の攻撃から身を守る目的ではなく、周囲に擬態するためのようです。
ニシキフウライウオはウミシダなどに隠れるようにして住んでいることが多いのですが、
このトゲトゲがウミシダの葉というか、足というか、つまり、櫛状の部分に隠れる時に
大きなカモフラージュになるわけです。
ニシキフウライ1

茶色ニシキフウライ

ですから、黒いウミシダには黒い個体という風に周囲にあわせた色合いをして隠れています。
白や緑、茶色などの個体もいます。

尻尾の開き具合が漫画の驚いたときのフキダシみたいで、結構かっこいいですよね。

彼らも基本的にふわふわと漂っていますが、泳ぐと結構、蚊が油断して飛んでいる時ぐらいのスピードで、すーっと移動します。
でも、そんなに早くないからカメラ向けの魚といえます。

私はついこの前までこの魚の名前を、ニシキフウライボウだとばかり思い込んでいました。
だって、なんか、ふらふらしてるし、いつも同じところにいるわけでなく、ある季節になると、やたらと見つかるようになるのでオフになると旅から旅への生活でもしているんじゃないかと思ってしまったわけです。


魚に対するイメージというものは不思議なもので、フウライボウだとばかり思い込んでいた時代は、結構、世の中に対してトゲなんかむけっちゃってる魚だし、体の模様もイレズミみたいでカッコよくて・・・
ニシキフウライ2
ヨッ!!魚界の小林旭か赤木圭一郎!なんて思っていたわけです。

で、同じような、小さくて細長めの魚界のマドンナ。
その名もオイランヨウジウオ(写真)ちゃんなんかが追っかけてくるわけで・・・
オイラン1
オイラン:「おねがい!行かないで!風来坊!」

ニシキフウライUP
風来坊: 「ヘッ!しょせんオイラは流れ者の風来坊だ。
      お嬢さん、こんな男に惚れちゃあ、いけないぜぇぃ!」

オイランタマゴ
オイラン:「だって・・・だってあたし。おなかにアナタの赤ちゃんが・・・」         

ニシキフウライUP
風来坊: 「そうか・・・でもすまねえな・・・オイラ、どうしても行かなくちゃ      ならねえんだよ!」

立ち去るニシキ
風来坊: 「あばよ!元気な子をうむんだぜぇい!」

見送るオイラン
オイラン:「行かないでぇー!!風来坊!」

エンド
♪~名もない みなーとに もーもの 花は 咲ーけどぉ~♪

・ ・・なんてストーリーがあるわけないんですが、あったら面白いなあ・・・
と考えてたんです。

あっ、ちなみにさっき出てきたオイランヨウジウオちゃんなんですが、
本当はオイランヨウジウオ君です。

そう、オイランヨウジウオは、オスのほうが、卵をおなかに持つんですね。
タツノオトシゴもそうですが、魚のオスって、結構そういう、子育て好きなオスがいるようです。


さて、ここまで読んでくださったアナタ!!
わたしが「風来坊」だと思い込んでいた
この稿の、タイトルに入っていた魚の名前
本当はなんていうのだったか、思い出せますか?????


次は「楊枝より確実に太いヨウジウオ」



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